修羅と荊の道を行け
結局、氷樹先生の家に行くことになった。

検査結果は問題なしで。ケーキバイキングで私たちは多いに元をとって帰ってきた。

「ねぇ夕御飯何食べる?」

「あれだけケーキ食べて、夕御飯を食べる気?」

「安心したらお腹空いた。昨日から余りご飯食べれなかったし」

「私はお茶だけで充分」

ソファーに座っていると、沙羅ちゃんが膝に飛び乗って来た。

「相変わらずモコモコで可愛いねぇ」

顎をこしょこしょすると嬉しそうにしっぽを振る。

「今、部屋からゲーム持って来る」

氷樹先生が少し元気になって良かったと。沙羅ちゃんに声をかけると彼女もその通りというように可愛い声で鳴いた。

にしてもどうやって帰ろうか。ホラーゲーム見た後に、一人で暗い路上を帰るなんて恐すぎる。

明日のこともあるから泊まるわけには行かない。

「浪川くんに来てもらう?」

いやいや、仕事終りでそんなことをさせるわけには。
< 162 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop