修羅と荊の道を行け
「咲耶が彼氏と電話する姿が見れるなんて。オレが生きているうちで良かったな」

「大袈裟よ。結婚式にだって出れるわよ」

「結婚か。あのお転婆が花嫁さんになるのか。最近は角隠しを被らないって言うよな」

「そうね。ウイッグで、ポニーテールみたいな髪にしたり、おかっぱみたいな髪にしたりしてる子が多いみたいね」

「咲耶は髪をあげた方が似合うだろうな。打掛は、薄い桃色が良いんじゃないか?」

「そうね。藤色や水色も良いかもね」

「ねぇ、二人とも話しが飛びすぎ!」

私は、家には帰らず叔母の家に入った。

高校のときはここから通っていたので、私の私服も少し残っている。

おばさんたちには子供がいないため、二人は私を実の子供のように可愛がってくれている。

「飛びすぎじゃないぞ。お前も28、来年は29だ。早く孫の顔をオレにみせてくれよ」

「おじちゃん、私の話し聞いてる?」

「咲耶、体質的にも浪川くんで一番良いの。出来ちゃったでもなんでも決めるならさっさと決めな」
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