修羅と荊の道を行け
そんな、ケーキをさっさと選べみたいに言わないでよ。

「咲耶、その彼氏を今度連れてきなさい。おじちゃんも見て、お前の彼氏に相応しいか見極めてやるから」

「おじちゃん仕事あるでしょ」

叔父の仕事は畳屋で呼ばれれば海外まで行ってしまう。

顔はからさわとしあきの様でやんちゃな中年みたいなのに、職人かたぎで弟子にも自分にも厳しい。

「一ヶ月くらい休み休みにしたからよ。あいつらにもたまには休みやんないと暴動起こされちまう。明乃、明日にでもその彼氏家に呼びな」

「そうね。電話してみるわ」

「え?」

なんでおばちゃんが浪川くんの電話知ってんの?お客さんで来ただけなのに。

「義理の甥っ子になるかもしれないんだから今からでも仲良くしても良いじゃない。ねぇあなた」

「そうだな。咲耶の新婚家庭の畳はオレが腕をふるってやるからな」
< 166 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop