修羅と荊の道を行け
「は、はいっ」

「どうした?忙しかったか?」

さっきまであの記事を呼んでたせいかどこか後ろ暗い。

「いえ、今、残業というか、強制労働というか」

「なんだそりゃ。さっき帰ってきたんだ」

「あ、おばちゃんの所から?」

「うん。もうおじさんに殴られ覚悟で行ったんだけど、歓迎してくれて、美味い酒飲ませてくれた。んで、おじさんと仕事することなった」

「仕事?」

「うちの会社で古民家を改装した料亭を手がけててな、畳が既製のもんだと入らなくてどうしようかって悩んでたんだ。で、おじさん畳屋だって言うじゃねぇ、で仕事を依頼したら引き受けてくれるって言ってくれた」

「良かったね」

「休みだっていってたのに、引き受けてくれて本当、感謝するしかねぇよ」

「浪川くんの熱心さが伝わったんだよ」

「そうかな?そうだと良いな。お前の小さい頃の話しも聞いた」
< 176 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop