修羅と荊の道を行け
ついつい顔がにやけてしまう。

「男と電話してにやけてんじゃねぇよ」

背後から声をかけられて、ケータイを落としてしまった。

「岡崎!帰ったんじゃ」

「女にドタキャンされたから、仕事しに帰ってきた」

「あんたが仕事って珍しい」

「たまにはな。それよりも咲耶が男と話してる方が珍しいぞ」

「ん…」

「お前もいよいよ処女卒業か、良かったな」

「なっ!何故それをお前が」

ここでは白倉さん以外知らないはずなのに。

「白倉さんがみんなで飲んでた時にポロッと言ってた」

ってことは、みんな知ってるってこと?

「お前すげぇな」

「何が」

「その顔で処女って、誰も考えないって。そんなお前も年貢の納め時か、狙ってる奴ら結構いたんだぜ。残業中のお前を襲いたいとか行ってたけど、お前強いからな。ボコボコにされて警察突き出されるのがオチだって言って笑ってたんだ」
< 178 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop