修羅と荊の道を行け
聞けば、一ヶ月休みを取ってたというのに。

急いで、先輩に連絡を入れると、明日からでも来てほしいとのことだった。

「すいません。仕事の話しになってしまって」

「いやいや、自営業だからな。休みなんてオレの一存でどうとでもなる」

と、カラカラと笑った。その笑い方がどこか咲耶に似ていると思った。



アパートに帰って来て、スーツを脱いでから咲耶に電話をかけると慌てた調子で電話に出た。

咲耶に二人とのやりとりを話すと、心底、二人との生活は楽しかったという声が返ってきた。

安心しろ、いずれオレたちもあんな仲の良い夫婦になる予定だ。

娘たちに万年新婚夫婦だと馬鹿にされるんだ。

美雪さんに仕事を受けてもらったと言うと、おじさんの仕事は確かだと絶賛していた。



咲耶の言葉通り、美雪さんは職人だった。かなり腕の良い。

先輩方も絶賛していた。

彼と仕事を初めて数日立った時だった。

現場に咲耶が突然来た。
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