修羅と荊の道を行け
そう言えば、今日はどっかの国の王女が来ると言っていた。その王女さまは白倉さんのゲームがいたくお気に入りらしく、来日ついでにここに寄ったらしい。

「あんたの会社、枕営業でもやってんの?女が指名って、あんたに惚れてるんじゃない?」

「言って良いことと悪いことあるぞ!オレは氷樹だけだ」

「どうだか。仕事4、上司5.8、彼女0.2の男が」

「何だそれは?」

「あんたの大事な物比率」

「悪いと思ってる。けど、あの人の頼みは断れない。恩人なんだ」

「恩人を大事にするのは構わないけど、だけど氷樹ちゃんを無下にする理由にはならない」

「無下になんてしてない!」

「自分は思っていても、相手と周りがそう思っていない場合もある。選ぶものを間違い続けたら、無くすよ。君はこのままだと取り返しが付かないことをしそうだよ」

大事にできないなら最初から、手をださなきゃ良かったのに。自分勝手な思いは大事な相手だって傷つけるだけなのに。
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