修羅と荊の道を行け
そう咲耶のフォローまでした返しだったが、

「プフーっ、オレらだって、もう亭主気取りかよ!沙羅、もう一発行っちゃって」

犬をけしかけようとする。

「ちょっ、氷樹さん!あんた寝起きで何でそんなにテンション高いんだよ!」

「氷樹ちゃんも母さんたちもこれ以上浪川くんをからかわないでよ。明日も仕事あるんだから」

「…そうだな!では浪川くんは今日はもう泊まって行きなさい。仕事には明日、氷樹ちゃんと一緒に私の車で送ろう。」

お父さんの一言で再びの泊まり決まってしまった。

さすがに、咲耶の部屋には泊まることはできないため、客間に通された。

「これ着てね。父親のだからオッサン臭いかもしれないけど。」

と藍色の浴衣を渡された。

「ありがとう」

「お風呂、明日入るでしょ。早く起こすね」

「悪いな。何度も泊めてもらって」

咲耶は声を出さずにフルフルと首を振る。その仕種が可愛い。
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