修羅と荊の道を行け

｢あ！下着ないね！シンに借りてくるね｣

とさっさと自分の部屋に上って行った。オレも慌てて追った。

｢待て待て！危ない｣

｢大丈夫｣

咲耶は窓を開けると、靴下を脱ぐと丸めた。クローゼットの中からストッキングを出すと片足にその靴下を入れた。

それをカウボーイの投げ縄の様にブンブン回すと、向かいの窓に投げつけた。

｢咲耶！それ止めろって言ってんだろうが｣

新井が怒鳴り声を上げて出てきた。

｢煩い！近所迷惑！芽唯ちゃんいる？｣

新井を無視して、髪にカーラーを巻いた派手な顔をした女が出てきた。

｢あら先程はごちそうさまでした｣
｢いえいえ｣

どうやら先程のパーティーにいたらしい。人数が多くて気づかなかった。

｢ねぇ、眞一郎のパンツと明日の着替え一式貸して｣

｢またか！いい加減言えにストック置いとけ｣