修羅と荊の道を行け
「ちょっと待ってて」

と女は部屋の置くに行ってしまった。

「咲耶、オレは良いから、会社にも着替えはあるから」

「咲耶ちゃん行くよ!」

「オーライ」

「「無視すんな!!」」

深夜に男の切ない叫びが響いた。

結局、着替えは咲耶の部屋に投げ込まれ、借りることになった。

「すまん。今度、奢る…」

「あぁ」


お互い彼女に苦労するという顔をして窓を閉めた。

「あれが新井の婚約者か?」

「うん。芽唯ちゃん美人でしょ。お花屋さんの看板娘」

花より派手な顔をしているとは言えなかった。

「結納済ませてから、会ったんだよ。最初、私と眞一郎の仲を疑ってたんだって」

「らしいな」

「芽唯ちゃん、うちのゲームのファンなんだって。やり込んでて凄いゲーマーなんだよ」
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