修羅と荊の道を行け
開発室は7階で出版部は5階、あまり行ったことがないから興味津々だ。

「先生すいません。お休みの所に。あれ五百蔵さんもどうしたんですか?」

「先生送ってきたの。覗いてって良い?」

名塚くんはたまに7階に来て、取材をしていく。

「どうぞ。先生、お客様はあちらです。」

氷樹先生は応接室の方に通される。

私は少し後ろに着いて歩く。

「咲耶ちゃんも一緒に入って」

返事をするまえに、応接室に引きずり込まれた。

応接室の上座には、ブロンド青い目の二十歳くらい女性と秘書みたいな茶髪の男、何故か氷樹先生の彼氏がいた。

何?この組み合わせ?色々想像してみるが、どれもこれも現実味がない。

「初めまして、私アリーナ・リオールと申します」

外人訛りの混じった日本語だけど流暢だ。アリーナ・リオール。どっかで聞いた名前だ。


「そちらのクリエイターのお方はお久しぶりでございます」
< 225 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop