修羅と荊の道を行け
誰か守って欲しいじゃなくて、オレが守ってやりたいんです。

とはっきりと聞いた。

「上司だけじゃなく氷樹への恩を帰さないと男じゃないですから」


「分かりました。愛し合う二人の間に割って入ろうなんて無粋な真似はもう止めます。氷樹さんも安心してください」

お姫様は少し悲しげに笑った。

「プリンセス、折角我社に来て下さったのですから開発室を見ていかれませんか?」

すかさず提案した。

「よろしいのですか?勿論です。上には話しを通してあります。どうぞ」

と上を指差した。

「わかりました。よろしくお願いします」

お姫様が立ち上がり、応接室の入口に向かう。

「プリンセス、ここを出るまでは私がお守りいたします」

「いや、そういう訳にはいかないだろう」

彼氏が着いてこようとしたが、氷樹先生と少し話しをして欲しかったから、

「大丈夫ですよ。ちょっと肩を触って見てください」
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