修羅と荊の道を行け
教えてもらったアドレスにメールを一通送った。

『7号。私は咲耶ちゃんにネックレス贈る予定だから変更しないでね。ハートとかは好きじゃないみたいだから気をつけて』

とすぐに返信があった。

「なんか怖いな」

いや。氷樹さんも咲耶のことを大事にしている気持ちは同じなんだ。好意は素直に受け入れよう。

そうか。ハートは苦手か。

オレが目をつけたのは、ティアラの形をした二連のリングだ。

きっと咲耶の細い指に似合うだろう。


だが案の定、クリスマスだというのに、仕事が終わったのは日を跨ぐ一時間前だった。

咲耶に電話をすると、会社にいるというので、会社まで車を走らせた。


会社の前に立っていた咲耶の前に車を止めると、急いで乗り込んで来た。

「早く出して!」

「は?」

「こっそり抜けてこようと思ったけど、白倉さんに見つかった。岡崎を白倉さんに投げつけて逃げて来た」

早くと急かす咲耶に頷いて、車を発進させた。
< 239 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop