修羅と荊の道を行け
「お前パーティーで人をぶん投げるってどうよ」

「今日は無礼講だから大丈夫。社長はセクハラして、女子社員にビンタ張られて喜んでたし」

どんな会社なんだよ。

「今年は景気悪いし、ヒットもあんまりでなかったからこそ社長も芸人とマジシャンまで呼んでたのかもね。テンション上げるために。そのために六階を超会議室って大きなフロア作ったんだから」

「なるほどな」

「来年も頑張んないとなって思うよ」


咲耶はグッと拳を握った。

大変なんだろうな。大変なのはどこも一緒だろう。そこに心を尽くすかどうかで、仕事ってのは変わってくるんだ。

咲耶には仕事に対する覚悟も、誠意も感じられる。そこが尊敬できるところの一つだ。

自分もこうであろうと常に思わせてくれる。オレの有りたい姿を映してくれる鏡の様な人だ。

「どうする?どっか飲みに行くか?」

「あー、私、いまコート脱げない…」

「何で?片言なんだよ」
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