修羅と荊の道を行け
嵌めて見るとサイズも調度良い。

「似合うか?」

「うん。緩かったりきつかったりしない?」

「大丈夫だ。ありがとう大事にするな」

「うん。芽唯ちゃんに眞一郎の腕貸してもらって、探したんだ。なんやかんやうるさいから腕だけ切り落としたくなっちゃったよ」

物騒なことを言っているが、咲耶が一生懸命、選んでくれたことは分かった。

「うんとね。芽唯ちゃんがもう一個買った方が良いっていうから」

おずおずと自分に左手を見せてくれた。

自分がもらったものより、小さめの時計が光っていた。

「おそろいですね」

咲耶の左手を取って時計を見つめた。細いシルバーのベルトが細い手首によく似合っている。

「うん。良い?」

「もちろん。こういうお揃いって良いな」

咲耶が安堵した様に息を吐いた。

そこでオレもプレゼントを出して左手の薬指にはめた。

「指輪…」

「やっぱり似合な」

ティアラの形をしゴールドの指輪。ルビーも綺麗に映えている。

これにして良かった。
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