修羅と荊の道を行け
趣味が天体観測と写真だという店のご主人の金橋さんは、クリスマスの夜の星を観察するために外に出たらしい。

3歳の娘は興奮して眠れずついて来て、オレらを見つけたらしい。

「お姉ちゃんいいなぁ。心奈もちゅう」

と、心奈(ここな)ちゃんはオレじゃなく、咲耶に迫っている。

なぜか気に入られた咲耶は困ったような顔をしている。

「可愛いなぁ」

「そうですね」

可愛い二人を見ていると和む。

「ココ、もう遅いから寝なさい」

奥さんがお茶を持って来てくれた。お腹が大きくてもうすぐ赤ちゃんが生まれるそうだ。

「いや!おねえちゃんといる」

母親に注意されても、心奈ちゃんは咲耶から離れようとしない。

「お姉ちゃんになるんでしょ?寝ないと大きくなれないわよ」

「心奈、お姉ちゃんならない」

と頬を膨らませて、咲耶の背中に抱き着いて子猿のようになっている。
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