修羅と荊の道を行け
金橋さんに呼ばれて、咲耶から離れた。

「これどうぞ」

と小さなアルバムを渡された。

「っ!」

息が止まるかと思った。写真はオレたちの海辺の一連の行為が写っていた。

勿論、キスシーンも。

この人は天才か!

「失礼なのは分かってたんですけど、余りにも絵になっていたので」

なんか写真集みたいだった。月明かりを浴びた咲耶が凄く綺麗でまっすぐオレを見ているのが嬉しい。

「このディスクに入っているもので全てです。カメラの中のものは消去しました」

「ありがとうございます」

がっちりと握手を交わした。

「彼女を大切にしてください」

「はい」

先人の言うことは聞くべきだ。オレもいつか、心奈ちゃんの様な娘を授かりたいんだ。咲耶との間に。
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