修羅と荊の道を行け
「お父さんと浪川くんメル友よ。毎日色々やり取りしてるみたい」

「え?」

そんな話し聞いてない。

「お父さんも浪川くんも必死よね。お互い」

と母は笑った。

「意味わかんない」


おほほほ、と笑いながら、早く白菜拾いなさいと言ってお茶を濁した。


「氷樹ちゃんよくきてくれたね」

と父の目尻は垂れ下がっている。

「お招きいただきありがとうございます」

そんな挨拶を和室で交わしていると、沙羅ちゃんが父の膝の上に座った。

「沙羅ダメでしょ」

「良いんだよ。沙羅ちゃんも犬好きがわかるようだ」

いーや、誰がこのなかで一番甘い人間か見抜いてるんだよ。なんやかんやで、氷樹ちゃんは躾には厳しいから。

今日はメインが肉だし。沙羅ちゃんは肉大好きだからね。

大晦日の夜はそんな感じで、氷樹ちゃん中心に過ぎて行った。
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