修羅と荊の道を行け
氷樹ちゃんを裸に剥いて次々と合わせて行く。

どれも似合って困る。

「セクシー路線で行く?」

「今回は可愛い系でお嬢様系で行こう」

「じゃあこの淡い桃色の花に蝶を飛ばしたやつにしとく?」

私が25の時に勢いに任せてデザインした振袖だ。

「うん。それ可愛い」

着物に合わせた帯と小物を用意して、母の所に向かった。

「あら?初詣に行くのOKよ。別嬪さんに仕上げてあげるから」

「よろしくお願いします、おばさま」

「良いのよ。氷樹ちゃんは娘みたいなものだから。咲耶はきなくて良いの?」

「私は明日、ちょっと取材旅行でいないから」

「あんたもせわしないわね。あとで有休もらって行けば良いのに」

「そうだね。でも温泉地だし、お土産買ってくるから」
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