修羅と荊の道を行け
兄貴と同じ間違いは犯さない。

兄貴たちがお袋に怒られているのを見ながら育ったオレは要領よく立ち回って、兄弟の中では怒られた回数は1番少ない。

咲耶と旅行に行くと伝え、写真を見せた。

「あら綺麗な子」

心奈ちゃんと遊んでいる咲耶の顔が優しく笑っている。

「上手いことやったわね」

「まぁ」

「気をつけて行ってらっしゃい。車の運転は充分注意しなさいよ」

「それだけ?」

「それ以外何があるの?お兄ちゃんたちのことでお母さんも慣れたわよ。あんた婿に行っても良いから。それから1度連れて来なさい」

「はぁ」

怒鳴られるのも迷惑だが、あっさりとされるのも寂しいものがある。

正月が終わる頃に連れて来れば良いかな?
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