修羅と荊の道を行け
白倉さんのメールを叱咤として、これからオレは咲耶との絆を深めて見せる。

そんな決意の元に車を走らせた。

旅館に着くのは夕方頃の予定になっている。

色んなことを話していると、調度昼飯時間だと気づいた。

「昼飯にするか?何食いたい?」

リクエストを聞くと、咲耶の動きがぎこちなくなる。

「あのね。凄い早く目が覚めてね、お弁当作って来たの…お味噌汁もあるよ」

「マジか!じゃあどっかの道の駅にでも停めるな」

咲耶の手づくりが元旦早々食べられるなんて幸先が良い。

道の駅に車を止めて、後ろの方が広いからと後部座席に移った。本音はこっちの方が密着出来るからだ。

「おお、すげぇな」

何か豪華なお節料理みたいな弁当だ。

「お正月用の食材の残りしかなくて」

それにしては高級食材が詰まっている。

さすが五百蔵家。旧家というべきか…
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