修羅と荊の道を行け
唯一セールになっていた柄で、真冬に買ったから季節外れなパンツの柄だと思ったけど、パンツだし、パンツに季節感なんて関係ないという勢いで買ってきたその柄は

ハイビスカスと

「フラダンス!」

腹筋を使って身体を一気に起こした。柔道で、寝技を交わす手段の一つだ。

そうフラダンスの女の子の柄のパンツをはいている!

「咲耶?」

寝技の途中で返された、浪川くんがこっちを目を丸くして見ている。

「ごごごごめん、おおおお風呂行ってくる」

このパンツを見られる訳にはいかない!小学生じゃないんだから!

私は急いで、荷物から下着と着替えを出すと部屋を出た。

「ヤバイヤバイ、こんなパンツ見せられないよ」

大浴場に転がり込む様に入った。

正月だというのに、誰もいない。
取り敢えずゆったり出来るなと、思いながら、服を脱いで行く。

脱いだパンツを見ると、散りばめられたフラダンス。

何故、これを数あるパンツの中から選んだのか、昨日の私に問いたかった。
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