修羅と荊の道を行け
「そうじゃなくて、どうなって付き合って結婚まで行ったのか気になりました」

ようやくアイアンクローから解放された。

「何でって、あれだけの猛烈なアタックがあったらね」

「高宮がですか?」

「そう。こどもの言うことだから最初は冗談かと思って軽く流してたんだけどね。仕事を依頼いている側だから邪険にも出来ないし、適当に食事ぐらいだけならって思って付き合ってたら、見た目に反して、真面目というか、職人堅気っていうかあの性格のギャップにコロッとまいっちゃったっていうのかな?」

「ギャップですか」

「そう。現場に来る恰好は楽でチャラい恰好だけど、デートの時は、ジャケットにネクタイして来たりね。ツボを突かれたわ」

渡辺さんのツボがどこかにあるか分からないけど、高宮を好きなった経緯は分かった。

サクピーとかチャラく近づいて来る時はウザいけど、高宮はきっと渡辺さんを幸せにしてくれるはずだ。
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