修羅と荊の道を行け
荊道10
咲耶が風呂に入りに行って、すぐに仲居が失礼しますと声をかけてきた。

「申し訳ありません。浴衣の方をお渡ししていませんでした」

あぁ。確か、種類があって選べるんだったな。

「奥様は?」

「もう風呂にいきました」

「申し訳ありません。もっと早くにお持ちすれば良かったですね」

「かまいませんよ。オレが選びますから」

オレの前に並べられたのは、いろとりどりの浴衣が並べられた。

自分のものは無難な、黒の浴衣にした。

咲耶は、どれが一番似合うだろうか?

青か、黄色や桃色の浴衣も可愛いだろう。赤…か。

赤。なんか、昔の吉原的な感じで良いんじゃないだろうか?

いやいや、あいつを娼婦にしたいわけじゃないぞ。おいらんっていうか、赤い襦袢だけを着てるってなんか色っぽいだろ。

それか白。ドラマの時代劇で殿様とかの床入りとかで、白い着物みたいなの着てんだろ。
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