修羅と荊の道を行け
「あなたも奥さんとですか?」

「まぁ」

「同い年ぐらいだから、まさか家族では来ないだろうと思いましたが。良かった」

何が良かったのか分からない。

「姉さん女房なもので、受付したときにご姉弟ですか?って聞かれてしまって。ちょっと複雑な気分だったんです」

「オレ所も年上ですよ」

「マジすか!」

といきなり肩を捕まれた。

「ど、どうしました」

「オレの周り、全員年下とばっかりくっついて、年上の彼女の良さを語り合える相手がいなくて寂しかったんです」

そう言って、男は何故か浴衣を脱ぎだした。

「何で脱ぐんですか!」

「折角ですから姉さん女房トークしましょうよ」

そう言って、彼はオレの手首をガッチリ掴むと、オレは引きずられるようにして風呂に入った。
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