修羅と荊の道を行け
人気なSPらしく、来日するどこぞのお姫様や政治家さんの警護には指名がくるらしい。

ホストみたいだ。

「ホストじゃあるまいし、指名ってなんなのよ!」

確かに。

「一ヶ月あってないの」

だそうだ。

「出かける予定いれても、すぐキャンセルだし」

「休みあるの?労働基準法はどうなってるの?」

「知らない。上司から呼び出されるとすぐに行っちゃう」

彼氏の頭は、仕事:8、上司:2彼女0、5だそうだ。

「何で付き合ってるか分からなくなるときもあるよ」

「でも好きなんでしょ?」

そう聞くと、氷樹先生は綺麗に笑って頷いた。

「楽だけどね…、っていつの間にか私の話になってる!さっちゃんの話し!絶対、気があるってその子」

ちっ、気づかれたか。もう戻ってこなくても良いと思ってたのに。
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