修羅と荊の道を行け
「私はパソコンの中にデータは残さないの。全てをこっちに保存しているわ」

とキラキラとデコられたUSBを見せられた。

「では、遠慮なく。使わせてもらいます」

折角の旅行が、出張みたいになってしまった。

咲耶はオレの側で、絵を黙々と描いている。そしてその前には、

「そうね。長すぎる長髪は、好まないわ。ファンタジーではないのだから。浅野高信ぐらいで、後ろで少し括れる位のが良いわ」

咲耶の(元)上司渡辺さんが色々と指示を出していた。

まるで本当の会社か何かのようだ。

「あんたらこんな所で、そんな話ししてて良いのかよ!企画だろ?それ」

「そんな固いものじゃないわ。私のイメージを高めるイメージボードみたいなものよ」

「今は、企画室、違うしね」

「咲耶も咲耶ね。画材をこんなに持ってきて、旅行って言うより、取材旅行ね」
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