修羅と荊の道を行け
鉛筆を走らせる音が聞こえてくる。

パソコン画面の向こうに見る咲耶は真剣そのもので、目を奪われる。

時々ケータイで何かを確認しながら、線を引いていく。

髪を耳にかきあげる仕種に色気を感じた。

不意に視線が浴衣の合わせ目に向いた。なんか、合わせが少し開いている様に見える。あと少しで谷間が見るんじゃなかろうか?

いかんいかん!今は仕事だ。仕事を終わらせて咲耶とイチャイチャ、あわよくば先に進みたい。

気持ちを切り替えて、目をパソコンの画面に向けた。

ある程度、目処をつけた所で、手を止めると、咲耶がいない。

絵の道具も片付けてある。どこ行ったんだろうと思っていると、襖が開いて咲耶が入ってきた。

「お夜食どうですか?」

とテーブルの上にオニギリとみそ汁を並べた。

時計を見ると、深夜の2時をとっくに過ぎている。
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