修羅と荊の道を行け
「そうなんですか。大変ですね」

「でも、午前でなんとか終わらせますよ。折角、こんな景色の良いところに来たんですから見ないのは勿体ない」

「そうですね。では、頑張って下さい」


浪川くんはあっという間に朝食を済ませると、仕事に戻った。

私も邪魔にならないように、スケッチブックを取り出して、窓から見える景色を描いて行く。

キレイに雪化粧された木々、白と緑の中に生える、赤い小さな実の愛らしさ

それを絵にしていく喜び。絵を描くと言うことは、私の人生の一部だと思わせてくれる。

おじいちゃんが絵の描き方を教えてくれて、絵を描いている時は誰も邪魔しなかった。
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