修羅と荊の道を行け
「オレを悶え死にさせかけた罰で、抱きまくらの刑」

と布団の中でギュッと抱きしめられた。

「えっと」

「オレも同じだよ。お前がオレの側にいてくれるだけで良い。その先になんて、まぁしたいけど、咲耶がいてくれれば二の次みたいなもんだ」

その声が余りにも優しいから顔を上げると目が合った。

「1時間ぐらいしたら起こしてくれな」

「うん」

ギュッと抱かれて、少しして浪川くんの寝息が聞こえてきた。

起こさない様に息をゆっくりとしていると、布団と浪川くんの身体の暖かさにウトウトしてきた。

少しだけと目を閉じた。


「咲耶、起きろ咲耶!」

身体を揺さぶられて目を開けた。あれ?熟睡してた?

「んー、今何時?」

「6時だ」

6時!布団から飛び起きて窓を見ると真っ暗だった。

「オレが起きたらお前も熟睡してんだもんよ」

「ごめんなさい」
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