修羅と荊の道を行け
「ご主人様のお仕事は終わられましたか?」

ん?ご主人様?

「はい、なんとか終わりました。ご迷惑をおかけしました」

「いえいえ、女将も心配しておりましたので」

「ありがとうございます」

浪川くんは何も言わずに仲居さんと話している。スルーしてるってことととっても良いのかな?

「では失礼いたします」

仲居さんが出て行って、また二人になった。

「さぁ食おう」

「うん」

全然、運動してなくてもお腹は空いていて、どんどん入って行く。

「お前よく食うな」

「そうかな?」

「なんか見てて気持ちいいくいっぷりだよ」

「ありがとう」

で良いのかな?良いんだよね?

「男の前だからって変に気取って、少食を気取る女より、食いたいもんを食う女の方が見てて気持ちいいってもんだ」

そうなんだ。そういう風な女の子の方が可愛いってわけじゃないんだ。

私そういうこと考えることが苦手だからな。

合コンなんてのも面倒臭さくて数えるほどだったし。
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