修羅と荊の道を行け
荊道11
家族風呂で咲耶がパニックになった。

まあ恥ずかしがりでもある咲耶が肌かを彼氏とはいえ、見られたら騒ぐだろうとは思ったけど、ネコが溺れたみたいになるとは思わなかった。

女がパニックにの時の顔って、見るに堪えない場合があるだろ。

蛾が飛んで来た時とかな…。近所のおばちゃんの顔を見た時、正直、怖かった。

それに引き換え、こいつはなんだ。

ばちゃばちゃして、お湯の中をクルクルしてる。

可愛いなぁ。お湯を波立たせて、下を見られないようにしてるんだろうけど、上はばっちり見えてます。小さいけど、形が良い胸が。

オレが可愛い胸を凝視してんのが分かったんだろうな。気づいて、お湯の中に潜った。


しばらく浮かんでこない。結構な熱さだぞ。

「咲耶!」

背中から脇の下に手をいれて引き上げた。

「ぷはっ」

何じゃその可愛い声は!

「見ねえから落ち着け」

「はい。すいません」
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