修羅と荊の道を行け
「そうなの?」

「オレの持論」

「なんだ」

カラカラと咲耶は笑って、オレの身体にもたれてきた。

「ねぇ。また、うちのお風呂入りに来なよ。うちのお風呂ねぇ、父の趣味で窓から月が見える設計にしてんの。今度の満月の日をお知らせするからさ。お酒とおつまみ用意しておくよ」

「そりゃあすげぇ。じゃあお誘いを受けようかな。一緒に入るか?」

「え!えっとえっと!」

「何で自分で誘っておいて、しどろもどろになるんだよ。まぁ、お前の家じゃ、悪戯は出来ないよな」

こんなふうにと、腰の括れを指でなぞった。

「ぎゃっ」

跳び上がりそうな身体を押さえつけた。

「こういう所が可愛いっていうんだ」


こんなやり取りをしてたら、咲耶の頭がフラフラし始めた。

「咲耶!」

咲耶の顔を見ると、顔が真っ赤でぼうっとしている。

「なんか…のぼせちゃった…」
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