修羅と荊の道を行け
仲居さんが下がってから、少ししてから咲耶が起きた。

「咲耶。気分はどうだ?」

「すこしクラクラする」

「湯あたりだ。水飲むか?」

「のむ」

咲耶がゆっくり起きようとするので、身体を支えてやりコップを渡した。コップを両手で持ってゆっくりと水を飲む。

コップの両手持ちって、可愛いな。

オレはここ来て、何回、可愛いって言ったんだ?

女子高生より言ってるんじゃなかろうか?


仕方ないだろう。可愛いんだから。

「ごちそうさまでした」

水を飲み干した咲耶がコップを置いてオレを見た。

「またまたご迷惑をおかけしました」

深々と頭を下げてきた。

「気にすんな」

「ありがとう」

「ん。もう少し飲んだ方がいい」

余ったスポーツドリンクを渡した。

「ねぇ、もしかしてパンツはかせてくれた?」

「まぁな。マッパのままで仲居さんを入れる訳にはいかないだろ」

また咲耶が真っ赤になった。
< 366 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop