修羅と荊の道を行け
咲耶にきかれない様に、部屋の奥で通話を押した。

「何?」

『本当!本当に咲耶ちゃん連れてくるのね!』

会ってもないのに、もうちゃん付けかよと思ったが、長電話は出来ないと、

「あぁ。連れてくよ」

「咲耶ちゃんに好き嫌いあるの?」

「ないと思う」

何でも美味そうに食ってる。

得に好きなのは肉類だろう。目の輝きが違う気がする。

「肉は好きっぽい」

「じゃあすき焼きにするから!必ず連れてきなさいよ!安全運転するのよ!」

ブツンと電話は切れた。相変わらず騒がしい親だな。

ケータイをしまって咲耶の元に戻ると、咲耶がお茶をだしてくれた。

「ありがと。今、親から電話来た。晩飯食ってけって。良いか?」


「うん。ご迷惑じゃなければ」

「すき焼きだってよ」

「すき焼き!」

「好きか?」

「大好き」
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