修羅と荊の道を行け
商売やら人付き合い関係で客が多くて、なかなか家族で出掛けられなかった。友達が家族で出かける話しが羨ましかったと咲耶は呟いた。

「だからかな、おばちゃん達の所にいた時に色んな所に連れていってくれたんだ」

「そうか」

オレの家も家族揃ってなんてなかった。兄貴達はクラブを始めれば、親はそれに付きっ切りだった。オレもテニスを始めたら、遠征やら合宿で家族が揃うこともなかった。

そういう所は少し似ている。

「咲耶はクラブとかやってなかったのか?」

「うん。格闘技は小5で全部止めたし、おばちゃんが書道とか裁縫とかいろんなものを教えてくれたから他の子と同じくらい充実してたよ」

「へぇ」

咲耶が雪乃さん教えてもらったという習い事を指折り数えて教えてくれたが普通の子どもより多い。

書道、裁縫、編物、料理、ピアノ、英会話、そろばん、日舞


それまでの武道を合わせたら、咲耶という人間は完璧なんじゃなかろうか?
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