修羅と荊の道を行け

母親が咲耶を見た瞬間、目を輝かせて、親しげに咲耶の名前を呼んだ。

知り合いかのように。

咲耶をチラリと見ると、目を丸くしている。

｢明けましておめでとうございます。改めまして、五百蔵咲耶と申します。本日はお招きありがとうございます｣

ホント、きっちりやる女だな。

｢はい。明けましておめでとう。さぁ中に入って入って｣

母親はぐいぐい咲耶を引っ張って入って行った。オレは放置された。

なんだこれ。

中に入って、リビングにはいると咲耶はテーブルに座らされていて、母親がニコニコとあれやこれや世話を焼いていた。

色々おかしいだろ。なんで、うちの親が咲耶を知ってるんだ。なんでそんなに親しげなんだ。