修羅と荊の道を行け
「咲耶さ…ん?」

「そうですよ」

咲耶の髪が変わっていた。

背中まであった長い髪は肩より少し上までばっさり切られて、黒髪が茶色に染まっていた。

そしてクルクルしている。

「似合わない?」

「いや、んなことねえよ」

むしろ、可愛い。髪切ったら綺麗な顔に幼さが戻ったっていうか、色を変えた髪も似合う。

「パーマもかけたのか?」

「うん。生まれて初めて」

「似合う。可愛い」

そういうと、咲耶は嬉しそうに笑った。

良かった。

「何でんなばっさり」

「岡崎の馬鹿が、調子に乗ってばっさり、こっちは髪を切る直前の髪の動きを見たかっただけなのに」
< 39 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop