修羅と荊の道を行け
「そうなの、頑張るのねぇ。ならここから行けば良いのよ。千尋が送って行けばOKでしょ」

「母さん、着替えのことだってあるだろ。無理を言うな」

「旅行の時のを洗濯すれば良いじゃない。乾燥機あるし。はい、決定。さぁ、咲耶ちゃんお洗濯出しなさい」

もう断ることなんて出来なかった。

車から荷物をだして、浪川くんのお母さんに渡した。

「よろしくお願いします」

「まかせなさい」

そして浪川家にお泊りが決まった。

「ごめんな。お袋がなんか」

「うんん。面白いお母さんだね」

おばちゃんとも母とも違うタイプのお母さんだ。

「男ばっかりの家だからな。あれくらいの勢いがないと」

「そっか」

一応、女だけだもんな。うちは。

母は芯は強い人だけど、父親の後ろを三歩引いて歩いていく人だ。
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