修羅と荊の道を行け
男の後ろを三歩下がって歩く、大和撫子の見本みたいな人。

自分には絶対出来ない生き方だ。

表に出ろと言われれば、出るし、口でも腕でも喧嘩上等だ。

いつかの未来で自分が母親になるときがくるかもしれない。その時、自分はどんな母親になるのだろうか?

「咲耶、オレの部屋に行くか?」

浪川くんに声をかけられて、現実に戻った。

「うん」

浪川くんの部屋か。アパートはシンプルな感じだったけど、実家はどんなだろう?

眞一郎は中学に上がって一人部屋をもらったときに見に行った。

几帳面で私の部屋よりも整って、お花も飾ってあったから、思わず、「オカマか!」って突っ込んだら、アイアンクローされた。

オカマは眞一郎には禁句なのを忘れてたんだよね。華道の家元の息子だから色々、言われてイジメられたりしてたんだよね。そのまま黙っているタイプじゃないけど。

浪川くんのお部屋はスッキリしていた。スッキリし過ぎ?

ベッドと小さいテーブルとタンスしかない。
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