修羅と荊の道を行け
「あはは、千尋くんって意外とヤキモチ焼きだったんだ」

義姉さんが蓮聖を抱いて、笑っている。

「女にヤキモチを焼かれることはあっても、妬くことは絶対ないと思ってた千尋がな。4歳にヤキモチを妬くとは、驚きだ」

十弥兄貴も笑っているが、こっちは本気だ。


「兄貴、どういう教育してんだよ。人の彼女に手を出すなんて男のすることじゃねぇ。早いうちから躾ないと、将来は不倫や略奪愛ばっかり繰り返す男になるぞ」

「4歳になに言ってんだ。千尋、冷静になれよ」

兄貴が呆れた顔をするが、こっちは真剣な話しをしているんだ。

「おねいちゃん抱っこぉ」

オレの隙をついて、蓮聖が咲耶に迫って来ている。

こうなったら、最後の手段だ。蓮聖が咲耶に抱き着く前に、オレが咲耶を抱き上げた。

「きゃっ」

可愛い声を上げた咲耶が驚いてオレを見てる。

「返して返して、おねいちゃん返して」

足元では蓮聖が咲耶を返せと纏わり付いてくる。
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