修羅と荊の道を行け
「浪川くんいる?」

「いるよ!」

「いなかったら許さないからね」

「分かってる」

「白倉さんに学生時代の恥ずかしい話しを聞き出すからね」

「しつこいわ!」

トイレの中と外でそんな会話を続けていると店員も客も変な目で見てくる。

「今から出るから、パンツ上げてるところ」

「いちいち実況をするな」

内心、どんなパンツはいてるんだ?と聞きたい。

紐パンか?
白のフリッとフリルのついたパンツか?
どれなんだ。
ヤバい!オレは中学生か!
だが男ってのは永遠の少年てやつで、どんなに年をとろうと好きな女の前では情けない中二になってしまうのだ。

「お待たせ」

咲耶が出てきた。

「おう」

こうやって飲んで飯を食ってても咲耶にとってオレは、上司の後輩で友達という所で止まっているんだろう。

なんとかしてその枠から抜け出したい。

彼氏というものはいないと咲耶の上司でありオレの大学時代の先輩である白倉先輩に確認してある。
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