修羅と荊の道を行け
「大変だったな」

「全員で岡崎押さえ付けて、財布から美容院代差し押さえたから良かったけどね。髪少しだけ切りたいと思ってたから」

その様子が目に浮かぶ様だった。

咲耶はそういって、鶏の唐揚げを口の中に入れた。

「お前の会社すげえな」

そうかな。

と咲耶は笑った。

髪が短くなって顔の輪郭が見えるようになった。

細い顎と首が見える。

尖った顎は細くて、唐揚げの油で濡れた唇は色っぽくて、そこから覗く小さな舌に目が行く。

「調度ね、漫画家の先生と小説家の先生が取材に来ててね、ネタにしてくれるって言ってたから、近いうちにゲーム雑誌に載るんじゃないかな?」
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