修羅と荊の道を行け
マツリの後から親父が入って来た。

「蓮聖が裸で風呂場に向かったが、誰か入っているのか?」

「あら、今、咲耶ちゃんが、千尋の彼女が入って…」

あのクソガキ!

急いで風呂場に向かいドアを開けると、蓮聖が湯舟の中ではしゃいでいた。咲耶の膝の上で!

「な、なっ、浪川くん!?」

咲耶が目を丸くしてこっちを見ている。

「悪い!蓮聖!何を勝手に入ってんだ!出ろ!」

蓮聖はあろうことか、咲耶の首に抱き着いて離れようとしない。

咲耶の裸に抱き着いて良いのはオレだけだって、何度言ったら分かるんだ。

「あ、えっと!大丈夫だよ。ちゃんとお世話するから」

「そういう問題じゃないんだ!さっさと出なさい!」

風呂場で、問答を繰り広げていると

「女の子の風呂にいつまで入り浸ってるの!バカタレ」

母親に怒鳴られた。ガキの頃の様に耳を引っ張られて風呂場からだされた。
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