修羅と荊の道を行け
親父は咲耶に感心をしている。どうやら相当、気に入ったらしい。
そして色んな話しをしているうちに、

「お手合わせ願いたい」

「「はい?」」

「馬鹿息子の喧嘩を止め、クラスだけではなく学校すら牛耳ったその腕を実際に見てみたい」

耳を疑ったが間違いではなさそうだ。

今、庭に出て二人は向かいあっている。

なんだこれ!

「お父さん止めて下さい。もし怪我でもしたら」

「武道は相手を怪我させるためのモノではない。それは咲耶くんも分かっているはずだ」

当の咲耶は庭に裸足で立たされたオタオタしている。

「咲耶、断っても良いんだぞ。てか、断れよ」

「でも、なんかそんな雰囲気でもないっていうか。大丈夫だよ多分…。平常心でいられればね」

「ん?」

最後変な言葉を聞いたが。

「長袖貸して貰える?」

「あぁ」
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