修羅と荊の道を行け
「見事な、一本だった」

同じが身体を起こして、アワアワしている咲耶に言った。

「ワザと隙を作り、オレを誘い込むとはな。オレもまだまだ浅い」

「いえ!お父さんは強かったです」

「千尋をよろしく頼む。末っ子で我が儘で甘ったれた奴だが、貴女がいれば、マシな男になるだろう」

親父が咲耶に頭を下げた。オレってそんなに情けない男か?

親父の顔には相当咲耶を気に入ったと書いてある(無表情だけど)ので、よしとしよう。
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