修羅と荊の道を行け
寧ろ、

「一人ぐらい婿養子に行っても良いから」

と言われている。まさに自分のことだろう。

咲耶と結婚できるなら、婿養子でも構わない。
マスオさんだって受け入れる覚悟もある。

五百蔵千尋。いおろいちひろ。良いじゃないか。

「どんどん食べてね」

咲耶がかいがいしく皿に肉やら豆腐やらを入れてくれる。

「あれ?千尋くん来てたんだ」

美世花ちゃんが帰って来た。お邪魔してます言うと、

「お姉ちゃんとイチャイチャしに来たの?」とストレートに聞かれた。

「まぁね。正月明けてから会えてなかったから。」

「あっ、お姉ちゃんが千尋くんのお父さんぶん投げたって本当?」

「うん」

「お姉ちゃん、マジで強いから。気をつけてね」


もう二発食らってるとは言えなかった。

「美世花、手を洗って来なさい。もうすぐできるから」

「はいはい、若奥様」

美世花ちゃんは咲耶をからかいながら奥に戻って行った。

「真央花はどうした?」

「今日は受験だよ」

「にしても遅くないか?せっかく浪川が来ているというのに」

「いえ、友達と答え合わせとかしてるんじゃないですか?受験も終わりって息抜きしたくなるものですか?」

受験生を経験してるモノとしての意見だった。咲耶と5才離れているため、同じ大学でも出会えるわけもなかったけど。



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