修羅と荊の道を行け
「初めての恋愛だかなんだか知らないけど28歳のオバサンが気持ち悪い」

「あんたになにを言われようが痛くも痒くもない。けど、浪川君に言ったことは謝りなさい」


「嫌だ。結婚を認めtくれるなら謝ってあげても良いよ」

「こんな子供に子育ては無理に決まってる」

言ってることと行動が伴ってないんだよ。頭の中が子供の親に育てられる子供の将来はどうなる?

「お姉ちゃんに聞いてなんかないって。だいたい何で咲耶姉ちゃんが出てくるのよ」

「父さんだけだと話し合いにもならないし」

美世花ちゃんがつぶやいた。


「まあ、子供は堕ろすわけにはいかないだろう。しかし結婚となるとな。高校もでない娘を嫁がせるわけには」

「高校なんて辞める。学歴ですべてが決まる訳じゃないし」

「おバカ。最低限の教養と学歴は必要なの!祖父ちゃんみたいな職人ならいざしらず、何の技術もない、高校中退の女なんて、キャバクラでも働けないよ。バイトの採用だって難しいんだよ」

「じゃあ、おばちゃんのところではたらくもん」

「すぐに縁者を頼るって、旦那にとって恥ずべき事って知らないのか?旦那をたてることも出来ない女の結婚生活の先が見えるよ」

咲耶がわざとらしいため息をついた。

「お姉ちゃん関係ないんだから黙っててよ」

咲耶がニヤリと口角をあげた。この顔もしっている。

「ちょっと失礼」

咲耶はそう言って、出て行ってすぐに戻って来た。

そしてテーブルに大量の紙を置いた。

内容は借用書と書いてあり、それに付随する領収書もついていた。

貸したのは咲耶で借金しているのは、真央花ちゃんのようだ。

大半は服や雑貨などだが、中には産婦人科のモノもある。

「借金総額506321円なり。これを払ったら結婚しても良いんじゃない?今までは学生って事で大目に見てたけど、学校辞めるんなら社会人って事だよね。利子諸共返して」

咲耶は真央花ちゃんに借金の返済を求めた。

金額が高校生の借金の額じゃない。なんでそんなことになってるんだ?借用書には真央花ちゃんと思われる拇印も押されている。

「今じゃなくtも良いじゃないこのはなしは」

「今じゃなくていつするの。借金まみれの嫁なんて誰が貰うって言うの。子供だけじゃなくて借金まで背負わせるきか?」

「家族なんだからいいでしょ。もう少し待ってくれたって」

借金の一番早い領収書には、10年前とある。そこから50万オーバーってどんだけだ。

「お代官、この状況をいかが思いますか?」

お代官(お義父さん)に意見を求めた。

お義父さんは借用書を見て肩を震わせている。

お義母さんは額を押さえている。




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