修羅と荊の道を行け
修羅道2
「咲耶が好きだ」

あんな真面目な顔初めて見た。

びっくりして箸落とした。

グルグルと考えて、考えて

ごめんなさい。

しました。

だって、そうでしょ。

一瞬の気の迷いかもしれないんだよ。

それを舞い上がって受けて、いざベッドで向かい合って

「処女です」

ってことになったら、絶対引くもの。

それにあんだけの男前くんだよ。

もっと可愛いお嬢様みたいな子が良いに決まってる。

職場で良いお話がくるだろうし、そんなときにこんな女と付き合ってたら、お先真っ暗だよ。

それにうちの親父が、なんとか婿になってもらおうと奮闘するに決まってる。

せっかく建築やってるのに、着物屋なんかに引き込まれたら大変だし。

これで良かったんだよ。
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