修羅と荊の道を行け
「お久しぶりです…」

「どうも」

直ちにいすまいを正して、挨拶をした。

「えっと、取り込み中のようなので失礼します」

「すぐ終わるわ。居て、手伝ってくれるんでしょ、原稿」

「うん…」

彼の方は私がいると話しにくそうだ。

「氷樹、話しを聞いてくれ」

「沙羅ちゃんの散歩行ってくるね。終わったら電話して」

沙羅ちゃんを連れて、外に出た。

月夜の中を散歩しながら、沙羅ちゃんに

「ご主人様は青春してるわね」

話しかけると、彼女はフリフリと尻尾をふった。
< 56 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop